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昨日はインテまでイベント言ってたので、更新お休みしました。すみませぬ。
薄くて高い本たくさん買ってきたよ!←
ちょこっと創作のトコも覗いてきたけど、イラスト本中心でした。
創作小説はやっぱ需要ないのかなぁと思ってみたり。
さて、最近頑張ってる「物書きさんに30のお題」ですが、次で詰まってますw
8番の「夢物語」
夢物語…夢物語ねぇ……ゆめものがたりーー…((
やばい、思いつかない。どうしよう。
というわけで今日はお題はお休みです。
かわりと言ってはなんですが、サイトにのせる小説についてちょろっと。
ついこの間、カエデの話が完結しましたので、次のを考え中です。
タイトルは「記憶屋―Pawnshop of memories―」です。
英語長いよ!って方は単に記憶屋だけでも構いません。英語長いよ。うん。
この間絵だけ描いてました。詳細は右下のピクシブを見てみよう。
一応半分くらい書きあがってますが、うpするのはもうちょい先になりそうです。
連載じゃなくて、短編完結の予定。
落書きばっかりして中身(小説)があまり書けてません。すみませんw
さて、夢物語考えないと。
何かないかなぁ
お題配布元:http://99.jpn.org/ag/
[07] 散歩日和
沈黙に包まれた部屋の中、シャーペンが紙を引掻く音のみが響いている。円卓を囲んで少女が二人、ひたすらに何かを書き続けていた。
しばらくして、ショートカットの少女のほうが唐突に立ち上がった。
「よし、散歩に行こう!」
彼女の言葉だけが響き、また沈黙が落ちる。
相方の少女とはいえば、疑惑に満ちた目で見上げていた。
「ねぇ、ユキ。散歩がどうとか言う前に課題終わらせたら?」
ユキと呼ばれた少女は聞き流そうと耳を塞いだ。もう集中力が持たないのだ。自分は彼女と違ってそこまで頭が良いわけではない。そんな自分にとって長時間座り続けることは苦痛以外に何も感じられなかった。だから現実逃避ともとれる提案をしている。が、彼女に勝てるかどうかは正直、微妙だ。
「……だ、だって、……ずっと勉強してたら体にも悪いって。ほら、エコノミー症候群とか言うじゃん?」
「ここは飛行機じゃないよ。それにここまで溜めたのはユキでしょ?自業自得ー」
畜生。折角このあいだ雑誌で見かけた知識を披露してやったのに。しかも彼女の言うことは何の矛盾もない。次はどうしようか。
「だからってこんな環境は正直きっついだろ?。ほら、息抜きってもの重要なんだって。症候群は置いておいて」
うん。そうだ。息抜きは絶対に必要だ。さもないと本当に脳がショートしそうだった。漫画とかでよく頭から煙が出ているが、今なら妙に納得できる。
「……その息抜きが積み重なって、入試で小2の漢字を間違えたのはどこの誰だっけ?」
「それは……えっと、当日の緊張感?」
ユキはじりじりと追い詰められていた。出来る言い訳のストックがそんなにあるわけではない。ユキは半ばやけになって窓を指差した。
「……じゃあ、こんな散歩日和に外に出ないのはおかしい!こんなに晴れてるのに!!」
そう言うと彼女は口角を少し上げる。まるで勝利を確信したような笑顔に、ユキは生唾を飲み込む。
「そう。散歩日和ねぇ」
小馬鹿にしたような態度に疑問を感じ、実証してみせようとカーテンを捲ると、
「確かに散歩は出来ないことはないね。でもあんまりおススメしないかな」
外は土砂降りの雨であった。
「……ごめんなさい。負けました」
「誤るのは良いから、早くやらないと。留年が懸かってるんでしょー」
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入試の話=実話
汽車の汽、素でわかんなかった馬鹿ですw
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[06] ガラクタ
「ねぇお兄ちゃん。このガラクタ何?」
無邪気な弟の問いかけに僕は苦笑する。僕らはかなり歳の離れた兄弟だ。僕はもう大学生だが、弟はまだ10歳にも満たない。そんな弟からすればコレはガラクタ以外の何者でもないかもしれない。
「これはね……何て説明すればいいのかな。……そうだ。僕の宝物だよ」
「えー……こんなのが宝物なの?」
噛み砕いた言葉でも弟は理解できなかったようだ。まぁ、弟だけじゃなくて誰にも理解できないか。
目の前にあるのは、壊れた人型の機械だった。
時は数年前に遡る。まだ僕が今の弟並みに幼い頃の話だ。
僕は、『彼女』に出会った。
『彼女』は……なんというか、僕の友達だった。少し言葉がきごちなかったり、反応が遅いときがあったが、そんなことは気にならなかった。
『彼女』はどこかの大学が生み出した最新のロボット、だったらしい。しかし更に最新のものが出て『彼女』は用済みになった。そして僕の所まで回ってきたのだ。
一見すると人間と大差ない。少なくとも幼かった僕は人間だと信じて疑わなかった。
機械が心を持つ、なんておとぎ話のようなこともあり得るほどに『彼女』は人間らしかった。
しかし、機械は人間以上にすぐに壊れる。
『彼女』は、バグを起こして壊れてしまった。『彼女』のプログラムが全て損傷してしまったのだ。
もうその目が光ることも、声を聞くことも、笑顔を見ることも出来ないと知ったとき、僕は愕然とした。
本体の損傷ならパーツを取り替えれば済むかもしれない。しかし、中身のデータは復帰できなかった。確かに中に存在するのだが、それを使うことが出来ない。
もしかすると、壊れたデータを直すことが可能かもしれない。
それからというもの、僕は必死に勉強した。どうしても『彼女』に言いたいことがあったからだ。
あれからもう10年の月日が経つ。
あれから本体は劣化が進み、弟の言うとおり『ガラクタ』 に成り果てていた。本体をいくら綺麗にしても材質事態の劣化は防げない。
今の『彼女』に僕の声は聞こえるだろうか。とてもとても大切な宝物に、僕の声は届いているのだろうか。
僕はこの数年で膨れあがった思いを口にする。
「愛してる」
『彼女』の瞼が少し動いたような気がした。
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珍しく微SFに挑戦。
こんなものでいいのだろうかw
まぁ、練習ですし。
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[05] 花に嵐
轟々と外の風が窓ガラスを叩きつける。
今夜はどうも嵐らしい。私は布団から体を起こした。嵐のせいか、なかなか寝付くことが出来ない。寮に入っからずっとこんな日が続いている。これが俗に言うホームシックというやつか。
隣では相方が呑気に寝息を立てている。こいつはどんな状況でも寝れるみたいだ。
私はふと、寮長が育てている花の事を思い出した。普段は私たちに厳しいくせに、花や植物のことになると孫でも可愛がるかのように態度が変わる。しかし、この雨と風では無事というわけではないだろう。
時計が指している時間は午前二時。寮長も既に眠りに入っていると思われる。
(……植木鉢、中に入れてあげようかな)
こんな真夜中、特にやることもない。私はそのまま寝床から抜け出し、階段を下りていった。
受付まで辿り着く。非常口の案内板が廊下を緑に照らし出していた。
皆が寝静まった真夜中の寮というものは、独特の怖さを醸し出していた。例えるならそう、夜の病院のようなものだ。一人という状況も私の恐怖に一役買っているのかもしれない。
外に出てみると予想通り激しい嵐だった。私は手探りで植木鉢を探す。
そのとき、ぽん、と肩に手が乗せられた。
「~……ッ!!」
ひんやりとしたその手は大人のものより少し小さく、皺だらけだ。
まさか、出たのだろうか。
そんな考えが頭の片隅に過ぎる。その途端私の体は完全に硬直してしまった。背筋を嫌な汗が流れる。もしかして、金縛りだろうか。
そんなはずはない。そんなことがありえるはずがない。そもそも私は恨まれるようなことはしてないし呪いをかけられるとか襲われるとかそんなことあるはずがないのであってというか寮長の部屋に電気が……あれ?
刹那、雷鳴が鳴り響き、一瞬視界が明るくなった。
後ろを振り返ると、真っ青な顔をした老婆が――
「お前さん、こんな所で何やってんだい?」
喉まで出かけた悲鳴を聞きなれた声が遮る。
老婆は、毎朝顔を合わせる寮長であった。
「……ああ、植木鉢を中に入れようとしてくれたのかい。ありがとうねぇ」
いつもと違って優しそうな寮長の笑顔で、私はやっと安堵した。
「ほら、早くしないと花が全部散っちまう。手伝っておくれよ?」
「え?……あ、はい。わかりました」
嵐の中の花は、いつもより美しく見えた。きっと気のせいだろう。うん。
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[04] 皺
昔々ある国に、とても美しいお姫様がいました。
しかし、そのお姫様はいつも不機嫌なことで有名でした。
いつも眉間に皺を寄せて、何かに対して怒っています。
そのためか、誰もお姫様に近づく人はいませんでした。傍にいれば鋭い声で怒鳴られるからです。
『どうして私は一人ぼっちなの』
あるとき、いつものように眉間に皺を寄せながら彼女は言いました。
お姫様の質問に答える人はいません。
それに対して、お姫様はまた腹を立てました。
「……その後、お姫様は一生一人で暮らしました。めでたしめでたし」
そう言って語り手である女性はまだ残りページの多い絵本を閉じた。そばで眺めていた少女が不服そうな声を上げる。
「全然めでたくないじゃないの。それにまだ本は終わってないわ」
「まぁ、落ち着いてゆうか。これからは私の考えたお話をするね」
ゆうか、と呼ばれた少女が顔を上げる。彼の眉間には物語の姫と同じく、深い皺が刻まれていた。世話役であるその女性は一つため息を付き、ゆうかに視線を合わせるようにしてしゃがむ。
彼女はあまり笑顔を見せない。
特に親から虐待を受けているとか、そうった事情があるわけではないのだが……どうも性格の問題らしい。
視線を合わせたことで子供扱いされたと思ったのか、ゆうかは更に不機嫌になる。
また女性は溜息を付き、物語の続きを語り始めた。
しばらくのあいだ、お姫様は一人で過ごしました。
最初のうちはなんとも思いませんでしたが、そんな生活を続けるうちに、急に人が恋しくなりました。
しかし、お姫様の住む小さなお城には誰もいません。
なぜ自分は嫌われるのだろう。
そう考えているとき、お城に一人の王子様が訪れました。
『おや、女性がそんなに眉間に皺をよせてはいけないよ』
彼はお姫様を見るなり彼女にそう話しかけました。お姫様は苛立ちながら答えます。
『いきなりあなたが無礼なことを言うからよ』
『これは失礼。……けれども、いつもそんな顔なのかい?』
『そうよ。誰も私と話してくれないもの』
お姫様がそう言うと、王子様は考えるような素振りを見せて言いました。
『はて……それは不思議な話だ』
そうしてお姫様の眉間の皺を指差しました。
『これがあるから皆寄ってこない。違うか?」
お姫様ははっと自分の手鏡を見ました。不機嫌そうな自分の顔はとても酷いです。
『人は笑顔でなければ。君は美しいんだから、もっと笑ってごらん』
お姫様は戸惑い、しばらく手鏡とにらめっこをしました。口を引っ張ってみたりしましたが、なかなかうまく笑えません。しかし、その様子を見て王子様が笑いました。
『そんなに無理はしなくて良い。自然に、笑うんだ』
王子様が笑うのを見て、お姫様はつられて少し微笑みました。それはそれはすみれのようにささやかな美しさでした。
『ご覧。前の君よりずっと素敵だ』
それ以来お姫様の周りには人が戻ってきました。
このお姫様と王子様は末永く幸せに暮らしたそうです。めでたしめでたし。
「……と、言うわけで、ゆうかも笑ってみなさい?」
そう女性が声を掛けると、ゆうかがきょとんと目を丸めた。今の物語は理解したけども、なぜ自分が。といったところか。
「ほら、人は笑ってるときが一番可愛いんだから!」
ゆうかは戸惑ったように視線を迷わせ、小さく呟いた。
「……私は、お話とは違うんだから」
ゆうかの眉間の皺は、刻まれたままであった。
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結局少女の笑顔を見る事はなかった。的な