忍者ブログ
超短編やサイトのお知らせなど。 (推敲ナシの一発書きなのでご了承ください)
[2]  [3]  [4]  [5]  [6]  [7
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 

お題配布元:あなぐら様 http://99.jpn.org/ag/


[03] ギブス

 まさか、自分が交通事故に合うなんて思わなかった。
 新品のバイクに乗ってはしゃいだのが仇になったらしい。曲がり角を曲がってきた車と衝突してこのザマだ。
 今、俺の右足はガチガチにギブスで固められている。半分は自業自得だが、どうしても不機嫌にならざるを得ない。
「やほー。怪我で動けないケンの為に差し入れを持ってきたよー!」
 扉を蹴破るようにして友人が乗り込んできた。俺が一人部屋じゃなかったらどうしてたんだと溜息を付く。ちなみにケンと言うのは俺の名前だ。本名はもう少し長いが、愛称としてこうして通っている。
「邪魔する」
 続けてもう一人の物静かな友人も入ってくる。全く、こいつら足して二で割ればいいのに。

「それにしても……派手にやったねー。しかも新車もボロボロだー!」
「免許とってまだ間がないだろう。完全に自業自得だな」
 親友二人の言葉が刺のように刺さる。特に後者、それは俺もわかりきってるさ。
「言うな……。くそっ……こっちだって落ち込んでるんだ」
 項垂れて見せると、やかましい方の友人がペンを取り出す。
「ではではー。抵抗できないケンに悪戯をしようか」
「!?……おい。待て、理不尽だ!」
 顔にでも落書きをするつもりであろう。薄く笑いながらペンを持ってにじり寄ってくる。
「必殺!顔に書くと見せつけてギブスに落書きッ!」
 ……と、叫びながらそいつは俺の右足にあるギブスに落書きを始めた。

「ったくあいつは……」
「お疲れ様」
 今、奴はジュースを買いに病院内の自販機を探しに行った。しばらくは戻ってこないだろう。あいつが居なくなっただけで部屋の気温が変わるような気がする。相槌を打つこいつも風変わりな奴だが、居ても特に害はない。
 足のギブスには奴が書きなぐった落書きが踊っていた。相合傘や俺の名前など、どうでもいい落書きばかりであったが、一つの文字列に目を奪われる。
『ケンが早く退院できますように』
「あいつ……」
 奴に似合わない言葉に思わず感涙する。すると隣の友人がそっと呟いた。
「随分、懐かれているじゃないか」
「まるで扱いが動物だな、ソレ」

 当の本人は自販機を見つける過程で看護師を引っ掛けていたりするのだが、それはまた別の話。

-----------------------------------
ケン=思いつき
名無しはキツいのでw

こういう三人組が結構好きです。
PR


あばばばb(ry
すみませぬ。拍手のコメント身内以外で来たの初めてなので少し興奮気味の凜です←

とりあえず、最近検索エンジンに登録したからか、ちょっとずつアクセス数が上がってます。
これまで一日一人二人しか見ていないようなサイトだったので嬉しい限りですv

亀更新ですが、これからもよろしくお願いしますv

続きから拍手お返事。

お題配布元:あなぐら様 http://99.jpn.org/ag/

[02] 雨宿り

 春の雨と言うものは気まぐれで困る。
 この日本中に、にわか雨の被害にあった人々は一体何人いるのだろう。
 とりあえず、俺もその一人に入ったことは間違いない。
 少し山奥に住む知り合いを訪ねたあと、帰る途中であった。
「ちくしょう……」
 口からは自然に悪態が漏れる。俺は自転車を全速力でこぎながらどこか雨宿りが出来そうな場所を探した。しかし、コンビニどころかバスの停留所さえない場所である。こんなことならば傘の一つでも持ってきていればよかった。そんな後悔を胸に滲ませながら。

 誰も住んでいなさそうな日本家屋の軒下に自転車を止めた。ここならば雨が止むまでの時間は潰せるだろう。特に急いでいるわけでもないので、弊害は俺の時間を無駄にすることだけだ。
 それにしても、随分古い印象を受ける屋敷だ。恐らくガスも水道も通っていないのだろう。人が住まなくなってから何十年も経っているということだろうか。
 ふと携帯電話を取り出してみる。電波は一本と圏外の間を行き来していた。
 こんな場所に住む友人はかなり物好きだなと今更ながら思った。

 不意に、目の端に影が横切った。

 反射的に目をそちらに向けると、和服を着た少女がぱたぱたと足音を立てて走り去った。座敷童を思わせる髪型と服装。いや、本当にそうではなかろうか。
 呆然と眺めていると、彼女のほうがこちらに気付く。
「お兄ちゃん、どうしたの?」
 澄んだ声が耳に届く。頭に直接響くような声だった。
「う、うん……雨に降られちゃって、家に帰れないんだ」
 それを聞き入れた彼女が首を傾げ、空を指差す。その光景を見て、俺は絶句した。
「どうして?こんなに晴れてるのに」
 あどけない笑顔を見せる少女。しかし、俺は違和感を感じさせられずにはいられなかった。

 ほんの一秒前まで激しく降っていた雨がぴたりと止んでいた。

「お兄ちゃんったら、気付かなかったんだ!うっかりさんだねー」
 気付くも何も、本当に彼女が空を指差すまで雨が降っていた。しかし、この空の様子からそれは感じられない。
「よかったね。お家、帰れるよ!」
「え?……あ、うん……」
 俺は歯切れの悪い返事をしながら、自転車にまたがる。
 その少女は元気よく手を振って、俺を見送ってくれた。

 「あ、お前まだいたのか!」
 「うん。ちょっと雨に降られてさ…」
 「……え?雨なんて降ってたっけ?」
 「はぁ?お前引きこもりにもほどが…」
 「馬鹿言うな!俺はその時間外で花に水やってたって!」
 「えー……。じゃあこのカバン見てみろよ。びしょ濡れじゃないか……あれ?」
 「ぜんぜん濡れてないじゃないか!……あれだ。きっと幻覚でも見てたんだろ?」
 「うーん……。おかしいなぁ…」


-----------------------------
座敷童というか、雨を降らせて人を迷いこませるというか。
なんかそんな感じの女の子でした。
 


そうだ、ここを使ってSSの練習をすればいいんだ←
…いえ、「物書きさんに30のお題」というものを見つけたので、やってみようかなぁと思っただけですw
一日一題づつくらいやってみます。

お題配布元:あなぐら様 http://99.jpn.org/ag/

続きから始まります。


 

めもめも開設!

これからサイトのお知らせやその他もろもろについては、ここに書いていきたいなぁと思ってます。
あとたまに創作について熱く語るかもしれませぬ。

カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
プロフィール
HN:
トビエダ
HP:
性別:
非公開
職業:
学生
趣味:
ラノベを読むこと、書くこと。
ブログ内検索
pixiv
最新コメント