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半年ちょい消えてました。
twitterじゃ元気に毎日いるんですけどね!ね!
近況。
部活で引退前の最後の台本書かせて頂いたり、冬休みの宿題にいつまでも追かけられたり、えけび踊ってたり、ポップンにハマったりしてました。
音ゲたのしい。
あ、サイトのほう、改装しました。
今年はお勉強の年ということで。縮小することにしました。
突貫工事ですのでリンク切れなどありましたらお気軽に報告お願いします。
続きから拍手返信。
遅くなってすみませんでした…!
追記からどうぞ。
そうだ、記憶屋三話終わりました。
なんだかんだ言って半年くらいかかったわりには中身短いです。すんませn
理不尽な逆恨みが書きたいが為のお話でした。
お題配布元:http://99.jpn.org/ag/
[18] 灯
真っ黒な水の上を、船に乗ったろうそくが滑っていく。
炎は風に揺られながらもどこか儚げに、ぽう、と輝いていた。一番槍を務めた炎の船を私は目で追っていたが、次第に数え切れないほどの灯が川を埋め尽くした。
今日は、年に一回の、おまつり。
何十年も前に、人さらいがあったと村のじいちゃんとばあちゃん達は話す。
たくさんの人が一辺に消えていなくなって、村の子供は私だけになっちゃって、それはもう大変なことだったそうだ。
その日、風邪を引いて寺子屋に行くことができなくて、私は一人長屋で寝こんでいた。母ちゃんが濡れた手拭いをそっと額に乗せてくれた。ひんやりとした温度は今でもしっかり覚えてる。
母ちゃんはずっと洗濯やら、かまどの世話をしていた。そのうち、八百屋さんに行ってくるわねと、私に留守番頼んで出かけてしまった。
私は熱で浮かされた目でぼうっと天井の板目を数えていたのだけれど、そのうち飽きて眠ってしまった。
目が覚めると、戸口から西日が差し込んできれいな筋の影を作っていた。どこか、村の遠くのほうでお寺の鐘が鳴っている。
ごーん、ごーん。
母ちゃん、お帰りはまだかしら。
すっかりぬるくなってしまった手拭いが、私のおでこから滑り落ちた。べしゃり、と重たい音を響かせて、床に水溜りができる。
私はそうやってずっと母ちゃんの帰りを待っていた。結局、母ちゃんの美味しい晩御飯は二度と食べることができなかった。
私は、母ちゃんの名前をすらすらと筆で書いて船に乗せる。母ちゃんが帰ってきますように。あっち側に私の思いが届きますように。そんな願いが込められているらしい。
じいちゃんは、神隠しだって言ってた。神様が、みんなをどこか別の場所に連れていっちゃったって。
なんで、だれも死んだって言わないんだろう。行方知らずの村人たち。人さらいに、遭ってしまった人たち。
不思議な、話だなぁ。
墨みたいに真っ黒な水の上を、消えてった人の分だけ灯が滑っていった。
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時代いつくらいだろ。江戸時代?
お題配布元:http://99.jpn.org/ag/
[27] ready?
「準備はいいかい?」
軽々しい男の声。公園の水溜りに浮いてるガチョウの羽みたいな、そんな声が私の鼓膜を刺激する。
その場に似つかわしくない、軽薄な声だった。
調子だって、そうだ。今からレースでも始まるとでも言いたげな声色。
「好きに、すれば」
私はつっけんどんにそう答えてみせた。
これから、私は処刑される。
これといって重犯罪を犯した覚えはない。
ただ、目の前で泣きじゃくる私の子供が煩わしくて煩わしくて、泣き声がきんきん頭に響いて、――気がついたら絞め殺してしまっただけの話である。
一晩寝ただけの男と作った子供。堕ろすのはかわいそうだから、まだ生まれてもない命を消すのはかわいそうだから、と回りに口をすっぱくして言われたから生んだだけの子供。特段愛着など沸くはずもない。
殺した子供を隠し通せるはずもなく、すぐに捕まって。警察も私の家族もてんやわんや。新聞の一面にも載った。夕方のワイドショーでも放送された。やったね、有名人だ。
裁判は事の外さくさく進んで、あっという間に死刑確定。特に異論の声も上がらず、わたしはこうやってお縄の前に立ってるということだ。
「つれないなぁ。君、今から死ぬんだぜ? もっとこの世に未練なんかないの」
どうやら彼は死刑執行人らしい。確か、三人がいっぺんにボタンを押すんだっけ。彼はその一人というわけだ。
「ないわ」
「はっは! 潔いこった。それくらいでなくちゃ」
またあの軽くて耳障りな声だ。こんどは弾けた。頭がまたきんきんする。
「ここに来るやつはみんなそうさ。当然っちゃ当然だが、もうちょっとぎらぎらした目の奴は来ないのかね! 全く、退屈で仕方ない」
男は残念そうに肩をすくめながらこう言った。
さっきからなんなんだろう。彼は。不愉快だ。さっさと殺してくれたらいいのに。
「さて、もう時間だ。最後に言い残すことは?」
「何もないわ」
「そりゃ簡潔でいい! じゃあな――裕子」
? 今、彼は何と言った。裕子だって?私の名前じゃないか。なんでこいつが知って――、あ。
彼がカーテンの裾にひっこんですぐに、わたしの足元は暗闇に吸い込まれていった。
ああ、そうだ。あの男じゃないか。私を捨てた。あの男。
冥土の土産にしては、あまり上手くない冗談だ。
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かかった時間:30分弱
ウーン、なんかオチが気に入らないや。